出っ歯はどこからが
出っ歯になるのか
本来、上の前歯は下の前歯にかぶさっているものですが、その前後の距離は2~3mmが正常です。それ以上、上の前歯が下の前歯よりも前方にある場合を、出っ歯(上顎前突)と言います。
出っ歯は、顎の発達の問題(上顎が発達しすぎる・下顎の発達の不足)が原因となることも多いため、顎の発達をコントロールできる5~6歳頃から矯正治療をスタートするのが理想です。
軽度
多くの場合、顎の大きさには問題なく、前歯が生えている位置や傾きの問題が原因となっています。
部分矯正で改善できることもあります。
中度
下顎の位置が引っ込んでいる・下顎の発達が不十分であることなどが主な原因となります。歯だけでなく、口元の見た目のバランスも悪いことが多い傾向があります。口の閉じづらさから、前歯やその歯茎が乾燥しがちです。
重度
前歯の傾きの問題と、上顎や下顎の骨格の問題の両方が原因になっていることが多くなります。口を完全に閉じることが難しい、閉じると口元が歪むといったケースも見られます。また、発音や咀嚼にも大きな支障が出ます。
セルフチェックで出っ歯か
どうか確かめましょう
棒を使う方法
割り箸など、真っすぐな棒状のものを、鼻の先端と顎先に当てます。
この時、上唇が棒に強く当たる、または上唇が邪魔で鼻先と顎先を結べないという場合には、出っ歯の疑いがあります。
口を自然に閉じてみる方法
力を入れず口を自然に閉じようとした時、正面から上の前歯が見えてしまう場合には、出っ歯の疑いがあります。
また、口を閉じるのにしっかりと口に力を入れる必要がある場合も、同様に出っ歯が疑われます。
出っ歯になる主な原因
先天的
骨格や歯の大きさは、親から子へと遺伝します。ご両親が大きな上顎、小さな下顎、大きな前歯を持っている場合、そのお子様は出っ歯になる可能性が高くなります。
後天的
しっかり噛まない、やわらかいものばかり食べる習慣があると、顎や口まわりの筋肉の発達が不十分になり、出っ歯などの不正咬合が起こりやすくなります。
その他、指しゃぶり・爪噛み、舌で前歯を押す癖なども、出っ歯の原因になると言われています。
出っ歯を放置することで
起こうるリスク
胃腸への負担の増加・
栄養吸収の低下
正しく噛めず、食べ物が細かくなる前に飲み込んでしまうと、胃腸の負担が増加します。また、栄養吸収の効率が悪くなります。特にお子様の場合、身体の発達にも影響する問題です。
発音に支障が出る
上の前歯と下の前歯から空気が漏れやすく、サ行・タ行などの発音に支障が出ることがあります。幼少期にからかわれるなどして、発言や行動への積極性・自信を失ってしまう子どももいます。
見た目のコンプレックス
出っ歯が、見た目のコンプレックスになるケースがよく見られます。特に思春期のお子様は、自分の見た目、人との違いに敏感であり、深く悩んでしまうことがあります。
口呼吸になりやすい
口呼吸になると、口内で細菌が繁殖しやすい(虫歯・歯周病になりやすい)、風邪をひきやすいといった問題が引き起こされます。
奥歯の負担の増加
咀嚼に際して、前歯を正しく使えない分、奥歯の負担が大きくなります。長い目で見ると、奥歯を早くに失ってしまう原因になることもあります。
出っ歯を治す方法
ワイヤー矯正
歯の外側にブラケットを取り付け、そこにワイヤーを通す装置で、歯を動かします。ほぼすべての症例に対応が可能であり、しっかりとした効果が見込めます。装置が目立ってしまうのが難点ですが、当院では目立ちにくいブラケット・ワイヤーもご用意しております。
マウスピース矯正
当院では、マウスピース型の矯正装置として、インビザラインを導入しております。薄く透明の装置であるため、装着時もほとんど目立ちません。食事・歯磨きの際には取り外せるため、食べ物が装置に詰まる・歯磨きがしづらいといったこともありません。ただし、1日20時間以上の装着が必須となります。
外科矯正
骨格に大きな問題があり、歯を動かす方法では出っ歯を治せない場合には、顎の骨を切除する手術が必要になることがあります。手術が必要になった場合には、速やかに提携する医療機関をご紹介します。
子どもの出っ歯の場合
5~12歳くらいの1期治療では、床矯正・急速拡大装置・着脱式のマウスピース型の装置などを用いて、上顎の発達を抑えたり、下顎の成長を促す治療を行います。
12歳以降に行う2期治療では、成人矯正と同じように、ワイヤー矯正やマウスピース矯正で本格的に歯を動かしていきます。
矯正で出っ歯を治すと
顔は変わる?
出っ歯の場合、上唇や鼻の下が盛り上がって見えたり、下唇や下顎が引っ込んで見えるという顔貌の特徴があります。
矯正治療によって出っ歯を改善すると、上下の顎・唇のバランスが良くなり、特に横から見た時にシャープに見えることが期待できます。美容の言葉を使うと、「Eラインに近づく」と言えます。
特に小児矯正では顎の発達もコントロールできるため、顔貌はより良い方へと変化することが期待できます。
