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発達支援外来

発達支援外来のご案内

発達支援外来のご案内当院の発達支援外来では、分子栄養学に基づいた栄養療法や腸内フローラ移植(FMT)など腸内環境改善を目的とした相談・治療を行なっています。
「朝が起きられない」「学校に行けない」「集中できない」「落ち着きがない」など、発達や不登校のご相談を受ける機会が増えています。
その多くに栄養の偏りや腸内環境の乱れとの関係を認めます。

当院では「発達支援外来」として、分子栄養学的な観点からサポートいたします。
発達の問題をお抱えのお子様をケアしていくことは、時として多くの困難を伴う場合がございます。
親御様(特にお母さま)におかれましては、お子様に対してより質の高いケアを行っていただけるよう、親御さん自身の心身を整えておくことが大変重要と考えています。

これまでの当院の経験から、発達の問題をお抱えのお子さんのみならず、親御様(多くの場合お母様)の心身が健康であることが、 お子様の治療をよりスムーズに進めるための大切な要素だと考えています。 そのため、お子さんだけでなく親御様に対しても、元気に日々過ごすためのアドバイスをお伝えいたします。
つきましては、お子様の初診時に、親御様も受診をしていただくようお勧めする場合がございますのであらかじめご了承をお願いいたします。

適応 不登校・自閉症・注意欠陥・学習障害など(18歳未満)
概要 分子栄養学・心理学に基づき、精神作用を持つ薬をできるだけ使わない統合的治療を行います。必要に応じて栄養療法(食事、サプリメント)、腸内環境改善などを行います。

※当院では新版K式やWISC-Vなどの発達検査は行なっておりません。

発達障害とは

発達障害は心理的な障害ではなく、神経の障害

発達障害は心理的な障害ではなく、神経の障害発達障害の根本にある原因は残念ながららいまだにわかっていません。
ただし、近年の研究から発達障害の大半が「遺伝か環境が原因となり発症する」と推測しています。
生まれつき、つまり遺伝的にそのように定まっていたか、生後に環境内に存在する有害物質からの”攻撃”を受けたか、そのどちらかが引き金となって発症するということです。
しかし、これとは異なるもう1つの説があります。それは「特定の遺伝的な要素をもつ人が環境毒性の被害を受けた結果、障害が発症する」というものです。
当院の臨床経験や研究知識に照らし合わせた結果、この説が最も信ぴょう性が高いと考えられます。つまり、主要な引き金となるのは「環境毒性」の存在です。

発達障害の発症を引き起こす可能性

妊娠中の栄養不足が遺伝子に影響を及ぼし、子どもが成長した際に慢性疾患を発症したり、発達障害の発症を引き起こしたりする可能性があります。

発達障害のある子どもは、生化学的な代謝経路に異常があることが多々あり、その背景には遺伝子多型による酵素の機能低下が関係していると考えられます。
また、発達障害のある子どもは、硫酸化という代謝経路も正常に機能していないと言われ、硫酸化は有害物質の解毒や、ホルモンと神経伝達物質の活性化及び抑制に関連しています。
これら代謝経路の異常が、解毒機能、重金属の除去機能、消化機能、免疫機能、代謝機能、腸の健康、微生物のバランスなど全身に悪影響を及ぼし、発達障害を発症すると考えられます。

発達障害のある子どもに
見られる身体的な特徴

発達障害のある子どもには以下のような特徴がみられます。発達障害のある子どもには以下のような特徴がみられます。

  • 睡眠障害
  • 疲れやすい、同じ姿勢を保つことが難しい、ゴロゴロする
  • 夜尿症
  • チック
  • 頭痛
  • 筋肉痛
  • 吐き気
  • じんましん、ぜんそく、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患
  • 中耳炎などの耳の感染症
  • 便秘、下痢など腸の問題

さらに体内では、以下のように解毒機能や免疫機能、消化機能などの複数の生理的な働きに問題が生じていることが報告されています。これらの機能低下は、発達障害の症状と深く関係していると考えられており、腸内環境や栄養状態の改善に取り組むうえで、重要な検討ポイントとなります。

肝臓と解毒機能の問題

肝臓は体に有害な物質を解毒する機能をもつ臓器で、その処理は2段階を経ておこなわれます。
第1段階では、有害物質を他の物質と結合しやすい形へと処理します。その結果できた代謝物にグルタチオンという酵素を結合させてることで無毒化するのが第2段階です。
しかし、発達障害の子どもはこの第2段階の解毒処理速度が遅く、第1段階で生成された代謝物が体内に流出してしまう可能性が高いと指摘されています。
第1段階で発生した代謝物はもとの有害物質よりも毒性が強いため、それが流出してしまうのは体に深刻なダメージを与えます。
発達障害の子どもは第2段階で毒性のある代謝物に結合し、中和する働きをもつグルタチオンの値も低いことがわかっています。

免疫系の問題と炎症

発達障害の子どもは、Th1細胞よりTh2細胞の割合が高いことが多いのが特徴です。Th1細胞の割合が低いと、ウイルスや細菌に対抗できず、耳の感染症やカンジダ菌が原因の感染症にかかりやすくなります。
一方で、Th2細胞の割合が高いとIgE抗体が活性化し、特定の食品や化学物質へのアレルギーが生じやすくなってしまうのです。
その結果、ウイルスの増殖やアレルギーなどにより、体内に炎症が生じやすいのも非常に大きな問題です。

消化機能の問題

慢性的な便秘や下痢が発達障害の子どもにはよく見られます。
発達障害の子どもは免疫が正常に機能せず、腸内で真菌やバクテリアなどが増殖しやすい傾向があります。
腸内で真菌やバクテリアが増えると、炎症が起こり、本来吸収されるはずのない未消化のタンパク質が腸壁から体内へと入ってしまいます。これを「リーキーガット(腸管壁浸漏)症候群」といいます。
未消化のタンパク質はアレルギーや炎症の原因となりますし、その一部は脳内へと入り、麻薬のように作用することもあります。

膵臓の消化酵素の問題

発達障害の子どもには、甲状腺機能の低下、副腎機能の低下などが見られることがあります。
甲状腺や副腎からのホルモン分泌が不十分となるため、エネルギー不足、疲れやすい、ストレスに弱いなどの症状があらわれます。
また膵臓の消化酵素の分泌量の不足、低血糖などの問題点があることも指摘されています。

発達障害の3つの種類

発達障害の3つの種類発達障害は、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如・多動症)、LD(学習障害)に分けられます。その中でも当院では、不登校・自閉症・注意欠陥・学習障害などのある18歳未満のお子さまの治療を行っています。

ASD(自閉スペクトラム症)

ASD(自閉スペクトラム症)は、対人関係やコミュニケーションの困難さ、こだわりの強さや感覚の過敏・鈍感などの特徴がみられる発達障害です。興味の幅が狭かったり、同じ行動を繰り返すことがあります。また、相手の気持ちを読み取ったり、場面に応じた行動をとることが苦手なこともあります。個々の特性や困りごとはさまざまで、「スペクトラム(連続体)」という名の通り、軽度から重度まで症状の現れ方に幅があります。

ADHD(注意欠如・多動症)

ADHD(注意欠如・多動症)は、年齢や発達に不相応な「不注意」「多動性」「衝動性」がみられる発達障害です。注意が散りやすく忘れ物が多い、順番を待つのが苦手、落ち着きがないなどの特徴があります。症状の現れ方は「不注意が目立つタイプ」「多動・衝動が目立つタイプ」「両方が混在するタイプ」に分けられます。本人の努力不足ではなく、脳の働きの特性に由来するものです。

LD(学習障害)

LD(学習障害)は、知的発達に大きな遅れはないものの、「読む」「書く」「計算する」など特定の学習分野に困難を示す発達障害です。例えば、文字の読み書きだけが極端に苦手だったり、計算だけがうまくできないなど、得意・不得意の差が大きいのが特徴です。本人の努力不足や怠けとは関係なく、脳の情報処理の仕方に起因するもので、早期の気づきと適切な支援が重要です。

発達障害のグレーゾーンとは

「グレーゾーン」とは、明確に発達障害と診断されるほどではないものの、発達特性によって日常生活や学校生活に困難を感じている状態を指します。例えば、診断基準をすべて満たしていないが、不注意や対人関係の難しさなどにより生きづらさを抱えている場合などです。診断がつかなくても、必要に応じて配慮や支援を受けることで、生活がしやすくなることがあります。

当院で行う発達障害の治療方法

近頃では、発達障害と診断された子どもたちに、薬物療法も行われることがありますが、 当院ではできる限り薬物療法は行わず、主に食事療法や腸内フローラ移植(FMT)などの腸内環境改善へのアプローチを行います。
また必要な方には医師による栄養療法も行います。また、愛着ホルモンの一種である「オキシトシン」が一部の発達障害に有効な場合があります。
薬物を使わなくても、家族、特に親との関係を調整したり、偏った食事を整えていくことでよくなっていく子も多くいます。
最初は子供の相談で来院した方も、結局は親御さん自身が変わられて子供さんがよくなっていくというようなケースもあります。
是非一度ご相談ください。

3つのサプリメントからスタートする分子栄養学

消化酵素、プロバイオティクス、オメガ3の基本サプリメントからスタートします。腸の状態がよくないと栄養を吸収できないので、いくらサプリメントをとっても効果があらわれないことがありますので、消化酵素と乳酸菌でまず腸の状態を改善しましょう。
また、サプリメントに慣れたら食事療法も並行して開始しましょう。

発達障害の子どもがとりたい基本サプリメント

基本サプリメント 追加でとりたいサプリメント
消化酵素(エンザイム)
プロバイオティクス(乳酸菌)
オメガ3(DHA、EPAなど)
マグネシウム
亜鉛
カルシウム
ビタミンB6
ビタミンB12
葉酸
ビタミンC
ビタミンE
セレン
ガンマリノレン酸

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オキシトシン

オキシトシンは脳の下垂体から分泌されるホルモンの一種で「愛情ホルモン」「愛着ホルモン」などと呼ばれ、哺乳類が群れや仲間を作る際に重要な働きをする物質です。近年、自閉スペクトラム症とオキシトシン受容体蛋白の遺伝子多型との関連も指摘されており、オキシトシンの自閉スペクトラム症に対する有効性が期待されています。

腸内フローラ移植(FMT)

当クリニックは『一般財団法人腸内フローラ移植臨床研究会」に所属する医療機関です。同研究会で採用しているNanoGAS®水(ナノバブル水)を用いた腸内フローラ移植(糞便微生物移植)を実施しています。

2023年ASDに対するFMTの特定臨床研究を行い、約70%の有効性を確認いたしました。
https://jrct.mhlw.go.jp/latest-detail/jRCTs031230041

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