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自己免疫疾患

 

自己免疫疾患とは?

自己免疫疾患とは、本来は体を守るはずの免疫システムが、自分自身の体を誤って攻撃してしまう状態を指します。

免疫は外から入ってくる細菌やウイルスから私たちを守る重要な仕組みですが、何らかのきっかけでその調整が乱れると、関節、皮膚、腸、甲状腺、神経など、さまざまな臓器や組織に慢性的な炎症や不調が起こることがあります。




よくみられる症状

自己免疫疾患の症状は非常に多様で、次のような訴えがみられることがあります。

  • ・原因がはっきりしない疲労感

  • ・微熱が続く

  • ・関節の痛み・こわばり

  • ・お腹の不調(下痢・便秘・腹部不快感)

  • ・皮膚のかゆみや発疹

  • ・動悸、体重変動、気分の変化

症状は良くなったり悪くなったりを繰り返すことも多く、「はっきりした診断がつかないまま不安を抱えている」方も少なくありません。




自己免疫疾患の原因

自己免疫疾患は、単一の原因で起こるものではありません。

  • ・遺伝的な体質

  • ・ストレスや生活リズムの乱れ

  • ・感染症の既往

  • ・腸内環境の変化

  • ・ホルモンバランスの影響

など、複数の要因が重なり合い、免疫の調整機構がうまく働かなくなることで発症すると考えられています。



当院の内科診療の考え方

当院では、自己免疫疾患を「免疫が暴走している病気」ではなく、「免疫の調和が崩れている状態」として捉えています。

もちろん、必要な場合には標準的な医療や専門医療との連携を重視します。そのうえで、
「体全体の状態を丁寧に把握すること」
「症状だけでなく背景にある生活・環境・腸の状態に目を向けること」
「体が本来もつ回復力が働きやすい条件を整えること」

を大切にしています。




分子栄養学の視点から

免疫の働きは、精神的な要因や生活習慣だけでなく、「体内の栄養状態(分子レベルのバランス)」にも大きく左右されます。

分子栄養学では、タンパク質、ビタミン、ミネラル、脂質といった栄養素が、細胞や免疫の材料として十分に行き届いているかを重視します。

自己免疫疾患をお持ちの方では、

  • ・慢性的な炎症による消耗

  • ・胃酸分泌の低下や腸の吸収力の低下

  • ・食事量は足りていても「使える栄養」が不足している状態

が重なっていることも少なくありません。

当院では、分子栄養学の考え方を参考にしながら、免疫が過剰に反応しにくい、安定した土台づくりを大切にしています。




腸と免疫の深い関係

免疫細胞の多くは腸に存在しており、腸内環境は免疫の土台とも言われます。

腸の粘膜が傷んだ状態(リーキーガット)になると、腸粘膜の炎症が起こりやすくなり、腸に多く存在する免疫細胞の過剰反応が続きやすくなり、結果として全身の不調につながることが知られています。





SIBO(小腸内細菌増殖症)との関連

腸内環境を考えるうえで、近年注目されているのが**SIBO(Small Intestinal Bacterial Overgrowth:小腸内細菌増殖症)**です。

SIBOとは、本来は細菌が少ないはずの小腸に、腸内細菌が過剰に増えてしまう状態を指します。

SIBOがあると、

  • お腹の張りやガス

  • 下痢や便秘

  • 食後の不快感

  • 栄養の吸収不良

などが起こりやすくなります。

また、腸のバリア機能が乱れる(リーキーガット)ことで、免疫が刺激を受けやすい状態が続く可能性も指摘されています。

自己免疫疾患をお持ちの方の中には、原因不明の消化器症状が長く続いている、食事を変えても体調が安定しない、栄養状態が整いにくい、といった背景に、SIBOを含む腸内環境の乱れが関与している場合もあります。

当院では、SIBOそのものを単独の問題として捉えるのではなく、腸全体の循環・免疫との関係性の中で丁寧に評価することを大切にしています。




こんな方はご相談ください

  • ・自己免疫疾患と診断されたが、日常の不調が続いている

  • ・薬だけでなく、体全体を見直したい

  • ・原因がはっきりしない慢性的な症状に悩んでいる

  • ・腸の不調と全身症状の関係が気になっている




最後に

自己免疫疾患は、長く付き合う必要がある場合も多い状態です。

だからこそ、
体を敵にするのではなく、体の声を丁寧に聴き直すことが大切だと私たちは考えています。

不安や疑問を一人で抱え込まず、どうぞご相談ください。