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ヒスタミン不耐症情報アップデート
2024年9月16日
以前、当ブログで「ヒスタミン不耐症」の記事を書いたことがあります。
ヒスタミン不耐症は主にDAO(ヒスタミンを分解する酵素)の欠損症により起こる諸症状で、あたかも食物アレルギーのような症状を呈することがあります。
しかし、実際の臨床では日本ではヒスタミン不耐症の検査キットが容易に手に入らないため、クリニックレベルでの確定診断には難しいものがあります。
欧州などでは検査キットが日本に比べると普及しており、DAO(ヒスタミンを分解する酵素)の酵素活性を測定する血液検査と、遺伝子レベルでDAOの産生能力を見ることができる唾液検査(遺伝子多型検査)を医療機関で受けることができるようです。
最近の研究ではDAO欠損症には下記のような様々な疾患との関連が指摘されており、なかなか良くならない症状の背景にはヒスタミン不耐症の存在を考えてみる必要がありそうです。
・線維筋痛症 75%
・ADHD 80%
・偏頭痛 87%
・下部尿道症状 88%
・不眠症 83%
・慢性消化器不快感 88%本来、小腸上皮細胞に存在するDAOは腸内環境にも影響を受けます。
SIBOなどのように腸内環境が乱れているとDAOのみならず、他の消化酵素の問題も合併しやすいと考えられ、ヒスタミンを含まない食物に対する不耐症を伴うことがあります。
ヒスタミン不耐症の治療は、まずはヒスタミンの前駆物質であるヒスチジンを多く含む食材を避けることですが、根本的には腸内環境改善を図ることが必要です。
また、遺伝的にDAOが不足しやすい体質の人は、DAOを含むサプリメントの摂取も考慮するといいでしょう。 Dr.城谷昌彦
20年以上消化器内科医として臨床をやってきたことで、非常に多くの患者さんから学びと気づきを得る事ができました。 その経験に加えて、何より自分自身が大病を患った経験を通して、一人の患者として「自分が受けたい医療」という視点を大切にしたいと考えて、日々の気づきをつらつらと芦屋から配信していきます。
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