「我 いかにして「ホリスティック医」になりしか」 by Dr. 奥野
2025.11.15
母に胃がんがみつかったのは、私が開業して1年目のことでした。
母のがんはスキルス胃がんで、すでにがんは腹膜へと広がっていて腹膜播種という状態でした。
母の検査に付き添って、腹部CT検査が終わった直後に、その画像をモニターで見た瞬間、放射線専門医の私は悟りました――「これは手術で治らない」「根治は極めて難しい」と。
そこで私は初めて、医師ではなく「患者の家族」として説明を受ける立場になりました。
そのとき、痛感したのです。**正しいことを言われても、人は幸せにならない**と。
それまで私は、「科学的に正しさ」こそが大事で、それが求められているのだと思っていました。しかし家族としてそれを受け取ると、ただ冷たく、無力に響くのです。
この体験が、私をホリスティック医学――心と身体と魂をまるごと見る医療――へ導きました。
ここから西洋医学(三大療法)の枠を超えた治療法の探求の旅が始まりました。
(文責:奥野)
