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ブログ

なぜ潰瘍性大腸炎は若者に増えているのか?

― 20代でUCを発症し大腸全摘した医師として伝えたいこと ―

潰瘍性大腸炎(Ulcerative Colitis:UC)は、かつては「珍しい難病」と言われていましたが、近年は患者数が急増し、今や決して珍しい病気ではなくなりました。

日本の疫学研究では、2010~2019年の10年間で、あらゆる年代でUCの発症率が上昇しています。
若年成人(10代後半~30代前半)はもともとUCが多い年代であり、全体の増加に伴いこの年代の患者さんも確実に増えています。

実際、当院でも

  • 学校に通えない
  • 大学を休学している
  • 将来が見えず不安が強い
  • 生物学的製剤を勧められて迷っている

    といった10~20代の患者さんが明らかに増えてきました。


なぜ、いまの若い世代にUCが増えているのか?

これは単純に「免疫の病気」という一言で説明できるものではありません。

私は20代でUCを発症し、再燃を繰り返し、37歳で大腸全摘に至りました。その後、FMT(腸内フローラ移植)・腸内フローラ解析・OAT(有機酸検査)などを通して多くのUC患者さんと向き合ってきました。

その経験から見えてきた「若い世代に起きている本当の変化」をまとめてみます。

① 若者ほど腸内細菌の「多様性」が低下している

世界的な研究で、若い世代ほど腸内細菌の多様性が低いことが示されています。
これは現代社会がつくり出した「生活習慣の変化」が大きく関わっています。

■ 腸内細菌叢が乱れる要因

  • 加工食品・コンビニ食の多用
     添加物・人工甘味料・質の悪い脂質は腸を慢性的に炎症体質にする。
  • 食物繊維の不足
     野菜(特に根菜類)・海藻・発酵食品が極端に少なく、酪酸産生菌が育たない。
  • 幼少期の抗生剤使用
     長期的に腸内環境を乱し、免疫システムが過敏になる。
  • 高脂肪食・精製糖の過剰摂取
     腸内の炎症を慢性化させる。
     日本人は脂質代謝が苦手で、その影響がより強く出る。
     精製糖の過剰摂取はカンジダを増加させPrevotella(食物繊維を分解する菌)を減少させる。

■ 母親から受け継ぐ腸内細菌

腸内フローラは母親から子どもへ継承されることも明らかになっています。
現代の親世代がすでに多様性を失っており、そのまま次世代へ受け継がれている可能性も高いのです。

② ヒスタミン不耐症(DAO低下)の若者が増えている

近年、ヒスタミン不耐症が注目されています。
ヒスタミンを分解する酵素(DAO)が弱いと、腸は慢性的に炎症を起こしやすくなります。

■ ヒスタミンの多い食品

  • チーズ
  • キムチ
  • チョコ
  • トマト
  • 赤ワイン
  • 魚の保存食

こうしたいわゆる「普通の食事」で腸に炎症を起こす若い方が増えています。
(私自身もDAOが弱く、高ヒスタミン食が続くと腸が荒れやすい体質でした。)


③ ビタミンD・B群・亜鉛不足

―― 「現代型栄養失調」による粘膜修復の低下

潰瘍性大腸炎の患者さんでは、
ビタミンD不足・亜鉛不足は非常に高頻度です。

粘膜の修復には

  • 亜鉛
  • ビタミンD
  • ビタミンB群
    が欠かせません。

しかし現代の若者には

  • 日光不足
  • 偏食・ダイエット
  • コンビニ食中心
  • 睡眠不足
  • 疲労の蓄積

    が重なり、腸粘膜を修復する栄養が圧倒的に不足しています。

その結果、慢性的な腸もれ(リーキーガット)を伴い炎症が治りにくい「弱い腸」になりやすいのです。
(私も学生時代はコンビニ食をよく利用していました)

④ 若者のストレス耐性・迷走神経の低下

最近の若い世代は、
ストレス耐性(レジリエンス)が低下している
と言われています。

■ 現代特有のストレス要因

  • 受験・SNS・人間関係
  • 情報過多
  • 長時間スマホで姿勢が悪化し、迷走神経が働かない
  • 浅い呼吸
  • 睡眠の質の低下

UCは「腸の病気」であると同時に、
迷走神経(副交感神経)の働きと密接に関係しています。

まじめで繊細、がんばりすぎる若者が発症しやすいのも臨床上の明らかな傾向です。
発達障害で融通の利きにくさもストレス耐性を低下させる要因です。
(私自身も20代の頃、ストレスを表現できず抱え込むタイプで、それが病状に強く影響していました。)

⑤ 潰瘍性大腸炎は“腸・免疫・栄養・心理”が絡み合う複合疾患

私は多くのUC患者さんと向き合い、そして自分自身の経験からも、
UCはひとつの原因で起きる病気ではない
と確信しています。

腸内細菌叢
迷走神経
心理
栄養
免疫調節
睡眠
ストレス耐性

これらが複雑に絡み合い、あるタイミングで症状として現れます。

若者では特に、腸内環境の悪化 × 栄養不足 × ストレス耐性低下 × 睡眠不足 が同時多発的に重なることで、発症リスクが高まっています。
(私もUCと診断されたのは研修医として忙しい日々を過ごしていた時期です)

⑥ 治療:標準治療を尊重しつつ「体質」を整えるアプローチを

潰瘍性大腸炎の標準治療は確立しています。

■ 標準治療(保険診療)

  • 5-ASA製剤
  • ステロイド
  • 免疫調節薬
  • カルシニューリン阻害薬
  • 生物学的製剤
  • JAK阻害剤
  • インテグリン阻害剤
  • 血球成分除去療法
  • 外科的治療

標準治療で改善する例も多く、基本はまず標準治療です。

⑦ 標準治療だけで改善しない場合の選択肢(保険適用外)

当院では、標準治療を踏まえたうえで
腸内環境・栄養・迷走神経の状態を整える統合的治療を行っています。

■ 改善のポイント

  • 腸内細菌叢の多様性を回復
     (FMT(腸内フローラ移植)、プレ・プロバイオティクス、カンジダ対策)
  • 粘膜の修復
     (食事療法(伝統的な和食が基本)、グルタミン、ホスファチジルコリン、ボーンブロス)
  • ビタミン・ミネラル補充
     (Vit D、B群、亜鉛など)
  • 抗酸化対策
     (ビタミンC、NAC、水素治療)
  • 迷走神経の回復
     (逆腹式呼吸、姿勢改善)
  • ヒスタミン対策
     (DAO(ヒスタミン分解酵素)、低ヒスタミン食)
  • 睡眠の質向上
     (抗炎症サポート)

実際、NanoGAS®水を併用したFMTや栄養療法で、標準治療で停滞していた症状が改善する例が増えています。


若い患者さんへ ― 受診を迷っているあなたへ

私は20代でUCを発症し、長い闘病の末に大腸全摘という決断をしました。
だからこそ患者さんの不安は、痛いほど分かります。

  • 「薬が増えるばかりで不安」
  • 「生物学的製剤の前に、他にできることを知りたい」
  • 「将来が怖い」
  • 「いまの治療が本当に合っているのか分からない」

そんな方が多く来院されています。

当院では、
症状、治療歴、生活背景、心理状態まで丁寧に伺い、
「いまのあなたにとって最善の選択肢」を一緒に整理します。

相談だけでも大丈夫です。
どうか一人で抱え込まず、お気軽にご相談ください。

■ 初診お申し込み

https://www.lukesashiya.com/monshin/

■ 看護師によるオンライン無料相談

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