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ヒスタミン不耐症(HIT)とは

ヒスタミン不耐症(HIT)とは

ヒスタミン不耐症(HIT)とは近年、小腸内細菌過剰増殖症(SIBO)にしばしば合併する病態として、ヒスタミン不耐症(Histamine Intolerance:HIT)が注目されています。

ヒスタミン不耐症は主にDAO(ジアミンオキシダーゼ:ヒスタミンを分解する酵素)の欠損症により起こる諸症状で、体内にヒスタミンが過剰に蓄積すると、ヒスタミン受容体(H1、H2、H3、H4)に結合し、さまざまな症状を引き起こします。
その症状は本来のアレルギー反応とよく似ており、あたかも食物アレルギーのような症状を呈することがあります。
皮疹、呼吸困難、鼻水といった症状に加えて、以下のような多様な不調が現れることがあります。

  • 不安感
  • ブレインフォグ
    (頭に霧がかかったような集中力・判断力の低下)
  • 消化管症状
    (腹部不快感・下痢・膨満感など)
  • ニキビ
  • 慢性的な疲労感
  • ホルモンバランスの乱れ
  • 易刺激性(イライラしやすい)
  • 低血圧
  • 性欲低下
  • 偏頭痛
  • 吐き気
  • 動悸(頻脈) など

関連疾患との高い相関性

DAO欠損症とヒスタミン不耐症最近の研究では、DAO欠損症には下記のような様々な疾患との関連が指摘されており、なかなか良くならない症状の背景にはヒスタミン不耐症の存在を考えてみる必要がありそうです。

線維筋痛症 75%
 ADHD 80%
偏頭痛 87%
下部尿道症状 88%
不眠症 83%
慢性消化器不快感 88%

アレルギーとの違い

通常のアレルギー反応は、アレルゲン(抗原)に対して免疫細胞が反応し、 肥満細胞からヒスタミンが放出されることで起こります。
一方、ヒスタミン不耐症(HIT)では、免疫細胞を介さず、 食事から摂取されたヒスタミンが体内で十分に分解されないことによって症状が現れます。
このため、HITはアレルギーに似た症状を示しますが、厳密には異なる病態であり、 「仮性アレルギー」と呼ばれることもあります。

ヒスタミン中毒との違い

ヒスタミン中毒とは血中ヒスタミン濃度は、ヒスタミンを多く含む食品を摂取した後に、健康な人においても一時的に上昇することがあります。
大量摂取により、ヒスタミン中毒と呼ばれる状態を引き起こすこともあります。
たとえば、サバなどの青魚を食べた後に蕁麻疹のような症状が出た経験がある方もいらっしゃるかもしれません。これは、サバに多く含まれる「ヒスチジン」が保存状態などによりヒスタミンへ変化し、その結果として症状が現れるためです。
ヒスタミン中毒は、ヒスタミンを分解する酵素(DAO)が十分に存在していても、体の処理能力を超える量のヒスタミンを摂取した場合に起こります。
一方で、ヒスタミン不耐症(HIT)は、DAOの量が少ない、あるいは酵素の働きが低下している状態であるため、ヒスタミンの摂取量が少なくても症状が起こるという点が大きな違いです。

SIBOとヒスタミン不耐症の関係

SIBOとヒスタミン不耐症の関係本来、小腸上皮細胞に存在するDAOは腸内環境にも影響を受けます。
SIBOでは、小腸粘膜に障害が生じやすく、それによりヒスタミン分解酵素(DAO)の産生低下や補酵素の不足が起こり、酵素活性が低下すると考えられています。
このため、SIBOの患者様ではヒスタミン不耐症を合併しやすいとされています。
SIBOなどのように腸内環境が乱れているとDAOのみならず、他の消化酵素の問題も合併しやすいと考えられ、ヒスタミンを含まない食物に対する不耐症を伴うことがあります。

診断の課題

HITの診断は一般的に難しいとされています。欧州などでは検査キットが日本に比べると普及しており、DAO(ヒスタミンを分解する酵素)の酵素活性を測定する血液検査と、遺伝子レベルでDAOの産生能力を見ることができる唾液検査(遺伝子多型検査)を医療機関で受けることができるようです。
しかし、実際の臨床では日本ではヒスタミン不耐症の検査キットが容易に手に入らないため、クリニックレベルでの確定診断には難しいものがあります。
血中ヒスタミン濃度やジアミンオキシダーゼ(DAO)の測定が診断の補助となる場合がありますが、現在、多くの医療機関ではDAO・ヒスタミン検査は実施されていません。

治療と生活への影響

ヒスタミン不耐症は、特定の食品・飲料・薬剤によって、多彩で非特異的な症状を引き起こします。 そのため、以下のような疾患と誤って診断されているケースも少なくありません。

  • アレルギー
  • 食物不耐性
  • 肥満細胞症
  • 心身症
  • 神経性食欲不振症
  • 薬剤の副作用

しかし、HITを正しく診断し、適切な治療を行うことで、症状の改善や生活の質(QOL)の向上が期待できます。
治療アプローチとしては

  1. 低ヒスタミン食の実践
    まずはヒスタミンの前駆物質であるヒスチジンを多く含む食材を避けること
  2. 腸内環境の改善
    根本的には腸内環境改善を図ることが必要
  3. DAO補充療法
    遺伝的にDAOが不足しやすい体質の人は、DAOを含むサプリメントの摂取も考慮
  • 低ヒスタミン食の実践
  • ジアミンオキシダーゼ(DAO)の補給

これらの包括的なアプローチにより、症状の改善が期待できます。