リーキーガット
2020.08.01
「あなたはリーキーガットかもしれません」
この言葉は、ホリスティック医療を実践する医療従事者が患者さんに伝えることのある表現です。
では、「リーキーガット」とは一体どのような状態なのでしょうか?
リーキーガットは、日本語では「腸管透過性亢進」あるいは「腸もれ」とも呼ばれます。
本来、腸の内側の粘膜(腸管上皮)は、体内と外界を隔てるバリアとして働いています。
しかしこのバリア機能が何らかの原因で低下すると、本来であれば体内に吸収されない物質までもが血流に入り込んでしまう状態になります。
これが「リーキーガット(腸管透過性亢進)」です。
リーキーガットは、消化器症状だけでなく、全身にさまざまな影響を及ぼす可能性があります。
リーキーガットによって起こりうる症状(消化器以外)
- ニキビや湿疹などの皮膚トラブル
- 頭痛・片頭痛
- 慢性的な疲労感・不眠
- 食物過敏症
- 気分の浮き沈み・イライラ
リーキーガットの主な原因
- SIBO、カンジダ、ジアルジアなどの慢性感染症
- 農薬、重金属などの環境毒素(特にグリフォサートなど)
- 腸内細菌叢の乱れ(抗生物質、ステロイド、NSAIDs、帝王切開、不規則な食生活などが要因)
- 食物アレルギー・過敏症(特にグルテンに反応しやすい方では注意が必要です)
- 強いストレス(精神的ストレスだけでなく、過度な運動などの肉体的ストレスも含まれます)
なお、リーキーガットは胃カメラや大腸カメラなどの内視鏡検査では直接診断することができません。
以下のような検査が補助的な診断方法として用いられます。
リーキーガットの検査方法
- ラクツロース/マンニトールテスト(尿検査)
- ゾヌリン・LPS測定(血液検査)
- IgG型食物過敏症検査(血液検査)
※現在当院で実施しているのは「③ IgG型食物過敏症検査」のみです。
リーキーガットの治療・対策
- SIBO / SIFO などの感染症へのアプローチ
- 可能な限り有機食材を選び、環境毒素の摂取を減らす
- 過敏反応を起こす食品の除去・調整
- ストレスマネジメント(睡眠・休息・生活習慣の改善)
- 腸の修復をサポートする栄養素の補給 (L-グルタミン、亜鉛、ビタミンA、ビタミンD、コロストラム、特定のプロバイオティクスなど)
リーキーガットは単独で発生するものではなく、多くの場合、SIBOや腸内環境の乱れ、ストレス、食生活などが複合的に絡んでいます。
根本的な原因を見極め、適切に整えていくことが重要です。
実際にSIBO治療に関わっている医療従事者の方で、さらに専門的な知識を深めたい方は医療従事者限定のSIBOセミナーへのご参加もご検討ください。
