「腸だけ診ていてもSIBOは治らない」シリーズ ①「隠れ甲状腺機能低下症」
〜その不調、原因は「隠れ甲状腺機能低下症」かも?〜
こんにちは。城谷です。
昨日はYoutubeの撮影でした。 少しネタバレになりますが、内容は以前SIBO(小腸内細菌増殖症)についての動画が反響があったので、「なかなか治らないSIBOの原因」について深掘りしてお話ししました。(Youtubeしろたにまさひこの便移植チャンネル)
その中で、MMC(Migrating Motor Complex:お掃除蠕動)の機能低下が大きな鍵になる、という話があったのですが、今日はブログでその補足をしたいと思います。
MMCを低下させてしまう大きな要因の一つ、「隠れ甲状腺機能低下」についてです。

SIBOの治療をしているのになかなか良くならない…
「低FODMAP食も頑張ってる、抗菌ハーブも飲んだ。でも、お腹の張りが治らない…」 「便秘がひどくて、腸が全く動いていない気がする…」
SIBOの治療に取り組む中で、そんな壁にぶつかっていませんか?
もし、腸の不調と同時に、
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なぜか手足が冷える
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すごく疲れやすい
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朝すっきりと起きられない
そんな症状も一緒に感じているなら、あなたのSIBOの根本原因は、腸ではなく「甲状腺」に隠れているかもしれません。
腸のお掃除(MMC)には「強力なエンジン」が必要
復習ですが、SIBOを防ぐ最大の鍵は、空腹時に小腸を波打たせてクリーニングする「MMC(空腹時強収縮)」という動きです。(私は親しみを込めて「お掃除蠕動」と呼んでいます)
このMMCを動かすための「エンジン」の役割をしているのが、首元にある甲状腺です。甲状腺ホルモンは、全身の細胞に「動け!」と指令を出す、代謝のスイッチなんです。
つまり、こういうことです。
甲状腺の働きが落ちる ↓ エンジンの出力が下がる ↓ 腸のお掃除もストップ ↓ ゴミ(菌)が溜まってSIBOが再発する…
という悪循環に陥ってしまうのです。
「検査は正常」…そこに潜む大きな落とし穴
「でも、病院で甲状腺の血液検査(TSH, FT4)をしたけど、『正常』って言われました…」
そう思う方も多いでしょう。ですが、ここに大きな落とし穴があります!
実は、甲状腺ホルモンには2種類あります。
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T4(貯蔵型): まだ使えない「材料」
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T3(活性型): 実際にスイッチを入れる「本物の鍵」
病院の基本検査で測るのは、主に「材料(T4)」の量です。 でも、本当に大切なのは「材料から『本物の鍵(T3)』が作られて、細胞の鍵穴にちゃんと刺さっているか?」ということなんです。
体が作り出す「偽物の鍵」Reverse T3(リバースT3)
SIBOによる慢性的な炎症、栄養不足、続くストレス…。これらがあると、体は防御反応として「今は非常事態だ!エネルギーを節約しろ!」と判断します。
すると、せっかくの材料(T4)から、本物の鍵(T3)ではなく、形が微妙に違う「偽物の鍵(Reverse T3:rT3)」を大量に作り始めてしまうのです。
この偽物の鍵、何が厄介かというと…
本物そっくりなので「細胞の鍵穴」に刺さってしまいます。 でも、回してもエンジンはかかりません。
さらに悪いことに、偽物が刺さったままだと、後から来た「本物の鍵」まで入れなくなってしまいます(これを「ブロック」と言います)。
その結果、血液検査の数値は正常に見えても、細胞レベルでは完全な「ガス欠」状態。 腸のエンジンもかからず、SIBOがいつまでも治らない原因となるのです。

なぜエラーが起きる?その影に「水銀」の存在
では、なぜ体はそんなエラーを起こすのでしょうか? 現代人で特に多い原因が、「水銀」などの重金属蓄積です。
材料(T4)を本物の鍵(T3)に変える職人(酵素)は、「セレン」という必須ミネラルの工具を使います。
ところが、体に入ってきた水銀はセレンが大好物。強力にくっついて、工具を使い物にならなくしてしまいます。
SIBOの患者さんは、腸のバリア機能が弱っているため解毒力が落ちており、毒素が溜まりやすい傾向にあります。 水銀という泥棒に工具(セレン)を盗まれた結果、本物の鍵が作れず、偽物(rT3)ばかりが増えている可能性が高いのです。
なお、水銀等の有害金属の蓄積、必須ミネラルのバランスを測定するのにオリゴスキャンが非常に役に立ちます
希望の光!強力な助っ人「NAC」
「じゃあ、もうどうすればいいの?」と不安になりますよね。 大丈夫、対策はあります。
根本的な解決には、腸のケアと同時に、この「ブロック」を解除する必要があります。その強力な味方となるのが、NAC(N-アセチルシステイン)というサプリメントです。中でも近年開発されたAugmented NAC(強化型NAC)はこれまでのNACよりも大きな効果が期待できるサプリメントです。
NACは体内で最強の解毒物質「グルタチオン」の材料になります。 これが体に溜まった水銀を捕まえて外に出すのを助け、炎症の火種を消火してくれます。
泥棒(水銀)がいなくなれば、工具(セレン)が戻り、体は再び「本物の鍵」を作って、腸のエンジンを回せるようになるわけです。
【SIBO患者さんへの重要な注意点】
NACは非常に優秀ですが、硫黄(Sulfur)を含んでいます。 SIBOの種類(特に硫化水素産生菌タイプ)によっては、硫黄がエサとなりガスを増やして、かえって逆効果になることがあります。 自己判断で始めず、必ず主治医と相談しながら試してください。特に口臭検査で硫化水素やメチルメルカプタンが陽性の場合も注意が必要です。
腸だけ診ていては、SIBOは治らない。
SIBOの治療は、まるで絡まった糸をほぐすようなものです。
SIBO(小腸内細菌異常増殖症)という名前であるがためについ「腸内細菌」だけに注目しがちですが、実はその背後で、甲状腺という「全身の司令塔」が悲鳴を上げているケースが少なくありません。
「色々試したけどダメだった」という方は、一度視点を変えて、分子栄養学的なアプローチで「細胞レベルの甲状腺機能」を見直してみてはいかがでしょうか。
一緒に、絡まった糸を一つずつ解いていくお手伝いができれば幸いです。
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