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果糖と脂肪肝

2016年12月16日

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私は定期的に産業医としていくつかの事業所を訪問しますが、その仕事内容の一つに検診結果をみて必要な人に指導をするということがあります。

最近結果を見て感じることは、労働者の方達に肝機能障害の方が非常に多いということです。

ご存知のようにアルコールの過剰摂取は肝機能障害をもたらします。しかし、あまりアルコール摂取がないにもかかわらず肝機能障害を示す人が結構います。

B型肝炎やC型肝炎でもないのに慢性の肝機能障害がある場合、まずはアルコールの過剰摂取の有無を確認しますが、それがない場合、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)が考えられます。

非アルコール性脂肪肝炎の主な原因は「果糖の取りすぎ」です。

果糖はその名の通りフルーツに含まれる糖分で、一見砂糖より健康的なイメージがあり、果糖ならいくら摂ってもいいだろうと思っている方も少なくありません。

通常フルーツを少々摂っても果糖が過剰になることはまずありませんが、巷には「砂糖」や「果糖ブドウ糖(別名:コーンシロップ、異性化糖、ブドウ糖果糖液糖)」と呼ばれる糖質が含まれる食材が存在します。

砂糖はブドウ糖と果糖からなる二糖類で、果糖ブドウ糖は55%が果糖、45%がブドウ糖です。

果糖ブドウ糖は、砂糖より甘さが際立ち、ジュースやお菓子、みりん、パン、ケチャップなどに多く含まれています。ほとんどの人が果糖についてのリスクを認識しないまま摂取しているのが現状です。(さらにコーンシロップなどはほとんどが遺伝子組み換えのトウモロコシから生産されていることも問題を複雑にしています。)

ブドウ糖は、肝臓以外に筋肉や臓器でも代謝を受けますが、果糖は唯一肝臓で飲み代謝を受けます。

果糖が肝臓で代謝される際に尿酸が大量に産生されるほかに、果糖から変化した代謝産物は肝臓内で脂肪の生産を増やすほか、超悪玉コレルテロールと呼ばれるVLDLや遊離脂肪酸を増やすことがわかっています。

これらはインスリンの抵抗性を増やしたり、痛風の増加、心疾患の増加、脂肪肝などの慢性炎症の原因につながります。

つまり、果糖の取りすぎはアルコール摂取と同じように肝機能障害を起こすこととなります。

特に清涼飲料水やお菓子、パン、ソースなどに含まれる果糖はつい摂りすぎてしまうことが多く、注意が必要です。

※今回のブログを書くに当たってカリフォルニア大学サンフランシスコ校医学部内分泌科Robert Lusting教授の講義、およびDr. Ozawaのブログを参考にさせていただきました。
Youtube" Sugar The Bitter Truth"でご覧になれます。

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