- ルークス芦屋クリニック
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当院におけるサイモントン療法の位置付け
2024年10月11日
当院ではさまざまな症状をお持ちの方に治療を提供していますが、いずれの治療をする上でもとても大切にしているものがあります。
それは「まずは患者様に寄り添い、痛みや苦しみを緩和させること。そして同時に、『なぜこの方は病気になったのか』」という命題を常に頭の中で思い描きながら治療を進めるということです。特に「なぜ病気になったのか」に対して科学的に分析し、その症状を発症させた「原因」を明らかにし、必要に応じて取り除くという生物学的なアプローチが重要です。
つまりこれは患者様が抱く「HOW(どうやって(どういう生物学的なプロセス)で病気になったのか)」という疑問に対してのアプローチと言えます。
しかし場合によっては「HOW」に対する答えだけでは必ずしも患者様の痛みや苦しみが取り除けないこともあります。そのような場合、患者様は「HOW(どうやって)」よりも「WHY(なぜ私は病気になったのか、あるいは、なぜ病気にならないといけなかったのか)」という問いを抱いていることが少なくありません。
これはいわゆる「スピリチュアルペイン」とも言われる類のもので、この問いに対して従来の医療は無力なことが多く、よりその人の生い立ちや信念、時として死生観、信仰などにも寄り添う姿勢が求められます。これは病気の本質を理解し、それに対する治療とも言えます。
私が医師としてこのような考えに至った大きなきっかけはカール・サイモントン博士との出会いでした。
私は2005年にカール・サイモントン博士の著書「ガンのセルフ・コントロール サイモントン療法の理論と実際」(創元社)に出会い、翌2006年に実際にサイモントン博士に会うことができました。
サイモントン療法は、米国の放射線腫瘍医で心理社会腫瘍医であるカール・サイモントン博士 ( O. CARL SIMONTON, M.D.)により開発された、がん患者さんとご家族(または支援者) のための心理療法です。
今では日本の認定機関において、がんのみならず、ストレスに起因するさまざまな症状に対してサイモントン博士が考案したプログラムが提供されています。米国にて放射線腫瘍医として、がん治療の第一線で活躍していたサイモントン博士は、「希望」をもって治療や日常生活に取り組む患者さんと、「絶望感」に苛まれながらそうする患者さんとのあいだに、その経過に大きな差を見出したのです。彼はその後、がんと心の関係に関する研究を行い、それぞれの深い関係を実証して行ったのです。
現代ではさまざまな科学的研究により、精神・心理面、感情面が人間の免疫機能に大きな影響を及ぼしていることが証明されるようになりました(心身医学、精神免疫内分泌学、精神腫瘍学など)が、標準的な医療現場では、残念ながらそれらの面への効果的アプローチは体系的に取り入れられていないのが現状です。病状が緩和されたり治まるだけでなく、こころも身体も魂も ― すなわち人間そのものが健全なバランスを取り戻して、私たちは初めて真の健康を獲得することが可能となります。
当院ではサイモントン療法認定機関としてサイモントン療法の考え方を基本とし治療にあたっています。
私たちは「患者様とともに歩む」姿勢を大切にし、患者様の病が癒され、生活が豊かに、人生が豊かになるよう医療を行っていきたいと考えています。
(サイモントン療法協会:https://simontonjapan.com/)
(※写真は2009年サンタバーバラにてサイモントン博士と) Dr.城谷昌彦
20年以上消化器内科医として臨床をやってきたことで、非常に多くの患者さんから学びと気づきを得る事ができました。 その経験に加えて、何より自分自身が大病を患った経験を通して、一人の患者として「自分が受けたい医療」という視点を大切にしたいと考えて、日々の気づきをつらつらと芦屋から配信していきます。
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