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自分の名前の刻まれた玉垣
2024年6月19日
昨日は週1回の実家での仕事を終えた後、年老いて運転ができなくなった母に頼まれて近所のスーパーまで買い物に出かけました。もともと元気な母で、今でも身の回りのことはきっちりとできてはいますが、さすがに85歳にもなると足腰の衰えや背中の曲がり具合が目立つようになってきました。
一通りスーパーでの買い物を終えて家に帰る途中、私は母を連れて私の産土神社に寄ることにしました。
この産土神社は、私の幼少期の頃から友人とよく遊んだ鬱蒼と茂った森の中にあり、秋の祭りになると大きな太鼓の音を出す「屋台」と呼ばれる山車が村中を練り歩きながらこの産土神社を目指し、4集落の屋台が集結する場所です。
まだ幼稚園に上がる前には屋台の大きな音が怖くて一人で近寄ることもできませんでしたが、母に手を引かれて産土神社の境内に入り、恐る恐る屋台のそばまで行って村の男衆に屋台に乗せてもらったことを思い出していました。
ちょうどその頃に神社の玉垣を新しく整える事業が行われ、私の父は父と私の兄と私の名前で奉納をしてくれていました。その証としてこの産土神社(大歳神社)の境内にある玉垣の一角には、私たち親子3人の名前の刻まれた玉垣が残っています。
小学生の頃、この境内でドッジボールなどの遊びに興じていましたが、その時も境内に自分の名前が刻んである玉垣があることはちょっとした自慢でした。
昨日改めて自分たち親子の名前が刻まれた玉垣を見て、時を超えて当時の記憶が鮮明に蘇り、私の原体験を再体験さえてもらえる感覚でした。まさに自分の原点はここなんだと深いところまで腑に落ちた体験です。
以前にも書きましたが、私は産土神社やご先祖様のお墓など、幼少期に深く関わった場所の土壌菌は、私たち腸内細菌と何らかの方法で情報のやり取りをしていると考えています。
すなわち、自分の成長の過程で「コア」となってくれた自分の腸内細菌は、これら産土神社やご先祖様のお墓の土壌細菌が大きく影響を与えており、今でも情報交換をしながら、必要に応じてそのバランスをチューニングしてくれるのではないかと思っています。
まだまだエビデンスに乏しい考察ではありますが、実体験としてそのような土壌菌と距離を縮めるこという行動は、結果として自身の深い部分、それは無意識といったり潜在意識と言ったりするものかもしれませんが、そこへのアクセスがしやすくなり、決意表明をするにはとても適切な場所であると思います。
そこでしっかり自分の深い部分と繋がった決意表明ができるからこそ、本当に勇気を持って一歩次のステージに進んでいくことができるようになるのでしょう。
こういうことが容易に起こりうるのが、この産土神社という場所なのでしょう。 Dr.城谷昌彦
20年以上消化器内科医として臨床をやってきたことで、非常に多くの患者さんから学びと気づきを得る事ができました。 その経験に加えて、何より自分自身が大病を患った経験を通して、一人の患者として「自分が受けたい医療」という視点を大切にしたいと考えて、日々の気づきをつらつらと芦屋から配信していきます。
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