ルークス芦屋クリニック
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SIBOとMCV(平均赤血球容積)
2025年5月22日
SIBOの患者さんの血液検査ではしばしばMCV(平均赤血球容積)が上昇する(大球性)ことが観察されます。ビタミンB12は小腸で吸収されるため、SIBOの増悪に伴いビタミンB12欠乏に伴う症状を呈することがります。ビタミンB12欠乏の主な症状は?- MCV↑(大球性貧血)
- ホモシステイン↑
- メチルマロン酸↑(尿中有機酸検査)
- 舌の炎症、しびれ、記憶力低下、集中力低下などの神経症状
MCV↑となる病態はビタミンB12欠乏以外に葉酸欠乏でも起こりますが、その鑑別に尿中有機酸検査がとても有用です。DNAの合成に重要な葉酸やビタミンB12欠乏はこのMCVは上昇させるのに対して、鉄欠乏ではMCVを低下させる(小球性)ため、葉酸欠乏やB12欠乏と鉄欠乏両方が同時に存在すれば。。。そう、MCVは一見正常値のことがあり、容易にMCVの数字だけで判断するのは危険です。ですからMCV以外に、血液中の鉄代謝マーカー、ホモシステインの測定、尿中有機酸検査でメチルマロン酸を測定することで鑑別が可能です。MCVが高くビタミンB12が欠乏しているからといって容易に国内で市販されるビタミン製剤を内服するのは要注意。ビタミンB12だけでも数種類のタイプがある。その遺伝子多型によっては逆効果のことも。かといって海外のメチル型B12などの活性型のB12も遺伝子多型が存在し、炎症を伴うようなケースでは要注意です。サプリメントより先になぜB12が不足しているのか、生活習慣、食習慣の見直しが重要なのです。そしてどうしてもサプリメント等で補充が必要な場合でも、どのタイプのビタミンB12にするのかを慎重に吟味していくことが重要です。 Dr.城谷昌彦
20年以上消化器内科医として臨床をやってきたことで、非常に多くの患者さんから学びと気づきを得る事ができました。 その経験に加えて、何より自分自身が大病を患った経験を通して、一人の患者として「自分が受けたい医療」という視点を大切にしたいと考えて、日々の気づきをつらつらと芦屋から配信していきます。
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