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治療・検査

過敏性腸症候群(IBS)/小腸内細菌異常増殖症(SIBO)

過敏性腸症候群(IBS)4つの発症プロセスと治療法

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現在考えられている発症機序は次の通りです。

感染性腸炎から過敏性腸症候群(IBS)が発症するプロセス

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1.感染(Infection)

カンピロバクター菌、サルモネラ菌、病原性大腸菌、赤痢菌などによる食中毒(感染性腸炎)を起こす。

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2.免疫応答 (Immune Responce)

食中毒による胃腸炎の原因となる病原菌が放出する外毒素に対して、免疫反応が起こり「抗CdtB抗体」が産生される。

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3.自己免疫反応 (Autoimmunity)

抗CdtB抗体に対する交差反応(自己免疫反応)により自己抗体(抗vinculin抗体)が産生される。抗Vinculin抗体が細胞を支えるタンパクであるVinculinの他にタイトジャンクション(細胞接合構造物)、神経細胞を破壊する。

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4.IBS下痢型またはIBS混合型 (IBS-D or IBS-M)

腸の蠕動が阻害され、Migrating Motor Complex(MMC:空腹時に起こる腸の大きな蠕動で、異物や異常増殖した細菌を掃除する役割がある)の活性が低下する。これがIBS(下痢型、混合型)やSIBOの原因となる。

感染の既往がないとされるIBS患者でも調べてみると、なんとIBS-D、IBS-Mでは有意に抗体価が高いことがわかり、特にIBS-Dでは60%近い人が抗体を持っていたと言うのです。つまり、IBS-DやIBS-M(場合によってはSIBO)と診断されている人の多くは、自覚症状はないものの過去に感染性腸炎に罹患したことをきっかけとして、抗CdtB抗体や抗Vinculin抗体などの自己抗体が産生され、これらによる自己免疫反応によるIBS(またはSIBO)の症状を発症していることが明らかになってきたのです。

先述のように、これまでIBSの診断は基本的には除外診断であり、確定診断を行うには他の疾患(例えば食物不耐症、炎症性腸疾患など)でないことの証明が必要でした。しかし、この画期的な検査のおかげで、IBSの中でも特に下痢型と混合型ではこれらの抗体検査が陽性の場合、ほぼ100%の確率で「IBS」と確定診断ができるようになったのです。

 

次のページ:過敏性腸症候群(IBS)の治療

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