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治療・検査

過敏性腸症候群(IBS)/小腸内細菌異常増殖症(SIBO)

IBS/SIBO外来での治療の流れ

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IBS/SIBO外来での治療の流れおよび料金

SIBOはIBSに比べるとまだ比較的新しい概念で、海外の調査では過敏性腸症候群(IBS)と診断されている人の中には、 SIBOが60~80%程度合併しているとされています。 内視鏡を利用した小腸液培養が可能になり、小腸内に細菌や真菌が異常増殖した病態が把握できるようになりました。そしてIBSの様々な症状の原因の一つとしてSIBOが注目されるようになってきたという経緯があります。
つまり、IBSとSIBOは全く別の病態というわけではなく、これまでIBSと言われてきた疾患の原因の一部(大部分とも言われている)はSIBOによるものであると考えられるようになってきました。
SIBOの状態が続くと腸管粘膜に障害が起こり、「腸もれ」や「リーキーガット」と呼ばれる状態になることが知られており、この病態は慢性的な疲労や不眠、皮膚のトラブル、アレルギー、自己免疫疾患、精神症状など様々な全身症状とも関連しています。

 

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1.IBS/SIBO外来

「IBS/SIBO外来」では、これまでIBSと診断され、標準治療を受けるもなかなか症状の改善を認めない方や、腹部膨満やガスが多いなどSIBOを疑わせる症状が続いている方が対象となります。
また、慢性の皮膚疾患や慢性疲労、不眠、自己免疫疾患、アレルギー疾患、抑うつ傾向など消化器症状以外の慢性的な不調があり、腸内環境改善を希望されている方も対象となります。

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2.栄養解析

SIBOのように栄養の受け皿である腸内環境の乱れがあると、ビタミンやミネラル、タンパク質などの必須栄養素が不足する場合があります。初診時に血液検査を行い、分子栄養学的解析方法により栄養素の過不足を評価いたします。
また、一般的に自律神経のバランスを乱しやすい人はSIBOやIBSの症状が強く出やすく、さらにSIBOやIBSでは長い経過の中で心理的要因がその症状の増悪に関連することも多くあります。
IBS/SIBO外来では、初診時に自律神経のバランスを見る検査を行います。栄養素の不足が認められ食事による補給が困難な場合は、抗菌療法を行う前に下記のようなサプリメントを使用します。
MMV(マルチミネラルビタミン):細胞が本来の仕事をするために必要な栄養素を高用量で補給することが可能です。

消化酵素、グルタミン:IBSやSIBOでは胃液の減少や消化酵素の不足を伴うことが多く、腸内環境を整えるために消化酵素やグルタミンを摂取していただきます。

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3.SIBO呼気検査/尿中有機酸検査

SIBO呼気検査では小腸内で増加したガスの種類(水素ガス、メタンガス)とその量を評価することが可能です。しかし、カンジダなどの真菌(カビ)の異常増殖は判別できないため、尿中有機酸を同時に行います。そうすることで、SIBOで増加したガスの種類と真菌増殖の有無からグループ分けを行い、より治療効果の高い戦略を取ることが可能となります。

オプション検査:IBS抗体検査(ibs-smart)
食中毒を契機として体内に抗CdtB抗体が産生されると、自己免疫反応により抗vinculin抗体も産生される場合があります。これらの抗体は、腸管の蠕動を司る神経細胞を障害することでIBSやSIBOの症状を発症させると考えられています。

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4.抗菌療法(1クール)

SIBOでは小腸内で発生するガスの種類によって使用するハーブを変えたり、カンジダなどの真菌増殖の合併(SIFO)がある場合はさらにバイオフィルム対策を加えたりと、腸内で増殖している菌や増えているガスの種類で戦略を変えていきます。
抗菌療法後も依然症状の改善が不十分で、検査でも菌の増殖が認められる場合は、抗菌ハーブの種類や量を変えて抗菌療法を繰り返します。

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5.抗菌療法後検査

抗菌療法を行った後、まだ症状の改善が十分でない場合、再度SIBO呼気検査と菌有機酸検査(尿中有機酸検査の中でも特に腸内細菌に関連する項目だけピックアップした検査)を行い、菌の増殖の有無を再度評価いたします。菌の増殖がある場合は、抗菌ハーブの種類を変更したり、バイオフィルム(細菌や真菌が作る強固な膜構造で内部に活動性のある菌体が含まれている)対策の追加を考慮いたします。

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6.維持療法

一度症状が改善しても再燃するケースも少なくないため維持療法が大切です。
特にibs-smart検査でいずれかの抗体が陽性の場合、神経細胞の障害に伴う腸管蠕動の低下が今後も続くことが予想され、腸管蠕動運動を促進するための治療を続ける必要があります。
食事に関しては「食べる楽しみを味わう」ことの大切さを重視し、症状がある程度改善していれば食事療法を緩めていくことが可能ですが、ストレスに伴う暴飲暴食などで再燃を起こすケースもありますので十分注意が必要です。

腸内フローラ移植

上記で改善が難しい場合は腸内フローラ移植をご提案する場合があります。

当クリニックは『一般財団法人腸内フローラ移植臨床研究会」に所属する医療機関です。同研究会で採用しているウルトラファインバブル水を用いた腸内フローラ移植(糞便微生物移植)を実施しています。

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